2011年4月29日金曜日

エルニーニョ/ラニーニャ現象と日本の気候の関連

異常気象の代名詞のように取り上げられる「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」ですが、地球規模で見ると遠隔地における気象変動が世界の随所に伝播し、影響を及ぼす「テレコネクション」のひとつとして見ることができます。

エルニーニョ現象は、太平洋東部赤道域の広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。ラニーニャ現象は逆に同海域で海面水温が平年より低い状態が継続する現象をいいます。海面水温の変化により、活発な対流活動が発生する地域が変動するため、日本をはじめ世界中で多雨による水害や干ばつ、猛暑や冷夏(厳冬や暖冬)などの異常気象が発生すると考えられています。

☞エルニーニョ/ラニーニャ現象をより詳しく知りたい方は気象庁のホームページ(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/index.html)を参照ください。

昨夏の日本の猛暑は「ラニーニャ現象」がその一因と考えられています。前述の説明に照らすと、フィリピン・オーストラリアなど西太平洋赤道域では、海水温が高い状態が継続したため、周辺にあたる日本全域は広く太平洋高気圧に覆われ9月下旬まで例年以上に厳しく長い夏の暑さが居座りました。

また、昨年12月から今年1月にかけては、オーストラリア北東部で海水温が高く対流活動が活発で、熱帯性の擾乱が発生しやすい状態が継続した結果、豪雨やハリケーンにより甚大な風水害が発生した一方、日本では赤道域での擾乱の影響を受け、「西高東低」の冬型の気圧配置が強化され(高度場が負偏差となり)やすくなり、山陰地方での大雪を始め日本海側各地で積雪量が記録を更新するなど、例年にない厳冬となりました。

エルニーニョ/ラニーニャ現象が発生する周期についてははっきりしたことが突き止められてはいませんが、「南方振動」(ENSO=エルニーニョ・南方振動)との関連が知られています。南方振動とは赤道に近い南太平洋のタヒチとオーストラリア・ダーウィンの間の気圧差が周期的に正負の変動を繰り返すもので、貿易風の強弱とも対応することからその関連性が知られています。気象庁は今春でラニーニャ現象は終息に向かうものと見られると発表をしていますので、季節予報の今夏の気温はほぼ平年並みからやや高めになるのではないかと見込んでいるのです。

来年以降エルニーニョ現象が発生した場合には冷夏・暖冬となる可能性があり、今後ともエルニーニョ/ラニーニャ現象の動向には注視が必要です。気象庁が発表する季節予報のほか、エルニーニョ/ラニーニャ現象の監視状況(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/index.html)にも注目する必要があります。

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